ハンズラボのウェブサイトを開くと、手のアイコンと緑のベースカラーが目に飛び込んでくる。ハンズラボ株式会社は2013年4月、東急ハンズの情報システム部から独立して生まれたITソリューション企業だ。
国内外に多数の店舗を構える東急ハンズは、数十万におよぶ膨大な商品を取り扱っており、それに関わる業務がも多く発生している。ハンズラボは、これらの業務を支えるためのシステムを開発し、現場の声を聞きながら改善を重ねてきた。ハンズラボがITソリューション企業として、東急ハンズはもとより、他の小売業や不動産事業、ヘルスケア事業、飲食業などのシステム開発を手掛けるようになった背景には、他社に先駆けて東急ハンズにクラウド(※)を導入したことが大きい。
※クラウド・コンピューティング・サービスのこと。従来は大規模なデータセンターにサーバーやデータを保持するのが一般的であったが、インターネット経由で接続できる仮想サーバーを利用し、データセンターや、物理サーバーを利用者が所有する必要がなく、低コストで従来通りのシステム運用を実現している。代表的なサービスとしてはAWS(Amazon Web Services)、GCP(Google Cloud Platform)、Azure(Microsoft Azure)などが存在する。
2021年現在では、クラウドは企業にも個人にも浸透し日常的に使われているが、2013年に大手・中堅企業、公的機関などのエンタープライズ企業がクラウド導入を行うことは非常に稀なことだった。そんな中で東急ハンズが導入したのがAWS。海外で先行していたAWSのことをITイベントで聞きつけ、数人のエンジニアチームでAWS導入に着手することになった。
東急ハンズがクラウド導入を決定した背景には、2011年3月に発生した東日本大震災があった。当時は外部ベンダーに店舗レジの稼働、売上データの集計処理を依頼しており、震災後の計画停電などの影響で集計処理が間に合わない事態が発生した。当時はまだハンズラボはなく、東急ハンズの情報システム部門にエンジニアが数人所属していた。自社で集計システムを開発して夜間処理の肩代わりをすることになり、これを機に自社開発がスタートした。システムが継続して稼働できるにはどのようなインフラがいいのか、といったことを考え始めたという。
このような土壌があったため、2013年になってクラウド導入の話が持ち上がった際には、障害時のリカバリーや未来へ向けての拡張性、可用性を重視して選定を行い、AWS導入を決めたという。
2023-12-08
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2013年4月1日
ITソリューション事業
50,000,000円
56名(2020年12月現在)
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