イヤホンガイドは、演劇や伝統芸能の鑑賞中に作品解説をリアルタイムで提供する音声サービスである。特に歌舞伎などの古典芸能においては、観客の理解を助ける重要な役割を担っている。しかし、その貸出業務には長年課題があった。
会場でのイヤホンと受信機の貸出は、開場から開演までの限られた時間内に集中する。そのため、開演直前まで貸出の列が解消されず、開演に間に合わない観客が出ることも少なくなかった。主な要因は、決済手段が現金に限られていたこと、そして貸出場所が数カ所に限られていた点にあった。貸出の際には、来場者からデポジットと貸出料を受け取り、受信機を手渡す必要があり、短時間での大量対応には無理が生じていた。また、現金を扱う関係上、人的ミスの頻発や会計処理の煩雑さも大きな負担となっていたという。
今回のクライアントが掲げたテーマは、この貸出業務のシステム化である。より多くの観客にスムーズにサービスを提供することで、イヤホンガイドの利用を促進し、ひいては歌舞伎ファンの拡大につなげたいという思いが背景にあった。
取り組みはまず、受信機の登録管理から始まった。どの受信機が貸出中か、返却済みかをリアルタイムで把握できるようにし、機器の可視化を図った。続いて、現場対応の効率化を目的にタブレット端末を導入。これにより、登録済みの受信機をタブレット上で一元管理しながら貸し出すことが可能となり、現場の混乱が大きく改善された。さらに、タブレットを複数台運用することで、貸出場所を分散し、柔軟な対応ができる体制も整備された。
決済面では、FeliCa技術を活用したプリペイドカードを導入。Suicaなどからのチャージにも対応しており、キャッシュレス化と利便性の向上を実現した。加えて、利用履歴が記録されることで、会計処理の精度も大幅に向上。人的ミスの削減と作業効率の改善に直結した。
こうした一連のシステム化により、貸出数・デポジット・貸出料のデータはすべて会計システムと連携され、公演ごとの売上管理が可能となった。歌舞伎では午前・午後・夜と1日に複数回公演が行われることも多いため、従来は管理が煩雑になりがちだったが、システム導入後はその課題もクリアされた。
株式会社ランドフューチャー創業者。2014年に船井総研ITソリューションズとM&Aを実行し経営統合後、ジョイワークスへ転職。同社では新規受託開発における顧客開拓や、プロジェクト統括、システム設計、経営企画、人材育成に携わる。東京ソフトウェア協同組合理事、株式会社ミューオン取締役兼務。
2023-12-07
150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-18-3 プレミア道玄坂ビル 2F
10:00-19:00
2011年3月3日
WEBアプリケーション開発
スマートフォンアプリ開発
サーバー・ネットワーク構築
WEBサイト企画・制作・保守・運用
ヘルプデスク・PM、SEサポート業務
ファシリティ事業
20,000,000円
60名
労働者派遣事業(派)13-309921
建設業許可番号 東京都知事 許可(般ー30) 第148973 号
電気工事業登録 東京都知事 届出 第3010527号
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