電子帳簿保存法改定に伴い、小規模企業や個人事業者では大掛かりなシステムは導入しにくく、もっとシンプルなシステムへのニーズが高まってきている。そこでデータアクセス株式会社では、カスタマイズいらずで、あらかじめ用意した運用ルールに沿って活用することで、手軽に電子取引データ保存に対応できる「でんとりくん」を開発した。

2024年1月1日の電子帳簿保存法改定に伴い、様々な企業で対応の準備が進んでいるが、同社によれば、クラウド化された大型製品は導入に抵抗のある小規模企業も非常に多く、こういったユーザーに向けた製品が意外と少ないとのこと。そんなニーズに向けた製品がでんとりくんだ。

でんとりくんは、電子帳簿保存法の電子帳簿保存区分（電子帳簿保存、スキャナ保存、電子取引保存）の内、電子取引保存に適応するWindows対応ソフトウェア。ITリテラシーがそれほど高くないユーザーでも使いやすいよう、Windowsのアプリとして開発した。ユーザーがインターネットなどのネットワークを意識せず利用でき、運用ルール（事務処理規程）に従って電子取引データを保存、運用することで、税務署調査時に求められる諸条件をクリアできるようにしている。データバックアップ機能も実装している一方、シンプルにパソコン1台での運用とすることで複雑な機能は排除し、小規模企業や個人事業者でも導入しやすいよう低価格を実現している。

でんとりくんの開発では、ユーザビリティにもこだわった。早期にプロトタイプ版を作成して2社で運用テストを行った後、そこで得た改良点を商用版にフィードバックした。また専用サイトを構築し、アプリのダウンロードとインストール、運用ルールとドキュメントのダウンロード、充実したQ&Aを用意。ユーザーのサポートだけではなく、販売代理店の負担も軽減しているという。

なお、運用ルールで使用するドキュメントを含めたでんとりくんによる電子取引データ保存の運用については、実際に税務署に確認済みとのこと。