クライアントは大手旅行代理店。MICE（Meeting、Incentive travel/tour、Convention、ExhibitionまたはEventの略：大勢の来場者が見込まれる会議・研修、研修旅行、国際会議・学術会議、展示会、イベントなど）を手掛けることが多く、クライアントの売上に占める割合も大きいことから、日ごろから積極的にMICE案件の獲得に取り組んでいた。しかし、その受け入れ体制は手間の掛かるもので、予約申し込みフォーマットを用意していたものの、MICE案件ごとにサイトを作り、すべて手作業で作成していた。予約の内容は、宿泊、交通、食事（お弁当）、ノベルティ、お土産など多岐に渡る。しかも、規模や内容によって項目の追加が発生するなど、MICE関係の案件が多数発生していても、すべてに対応できない状態が続いていた。
そこで、MICE主催側からの要望にはスピーディーに対応でき、参加者にはわかりやすい予約フォーマットを提供、数量も多くこなせるということで、すべてをシステム化してサイトを改修することにした。

本プロジェクトで特に重要視したのはセキュリティ面。多くの参加者の個人情報を取り扱うため、堅牢さが求められていた。そこでECパッケージの導入を検討。ECパッケージはセキュリティーが高く、MICEを商品と考えればスキームが類似している。検討を重ねた結果、ECパッケージのフレームを利用し、それ以外の部分はフルスクラッチで対応することにした。
このようなシステム設計はレアケースかもしれないとのことだが、これによって「案件ごとにフレキシブルに対応したい」というクライアントの要望に応えることができ、社長賞も受賞したという。
現在も運用保守・改修を担当しているとのことで、日々変化していく業務に対応し、クライアントの要望に応えていることを実感しているとのことだった。