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アイユー株式会社は、来店客と店舗をつなげるオリジナルアプリ「アプリメンバーズ」を開発した。このアプリは、ポイントカード、多種多様なクーポン配信、プッシュ通知機能などを備えたもの。6年前に開発した「メールメンバーズ」というサービスがベースになっていて、例えば、空メールを送ると生ビール無料を配信することができるもの。この「メールメンバーズ」のクライアントより、来店するだけでポイントを付与できるような機能のリクエストがあり、今回のアプリを開発することにした。
　

例えば、リアルのポイントカードでは忘れたり、店舗側でポイントを把握できなかったりと問題もあったが、アプリではこれらの問題が解消される。来店客の行動を考えると、ポイント以外にももう少し多様な機能がある方がアプリの利用頻度が高まるのではないかと考え、クーポン配信、ポイントカードのほか、会員証、ニュース配信、会員管理機能を持つアプリへと発展させたという。
　

このようなアプリを自前で開発すると数百万円ほどの費用が必要になるが、リーズナブルな価格で多くのユーザーに提供したいと考え、パッケージ化することにした。スタート時には月に1、2件程度の申し込みだったものが、2021年9月現在では月15件ほどの申し込みがあり、約600社に利用されている。

「アプリメンバーズ」の開発においては、ユーザビリティにもこだわっている。アプリは一度作ると審査の都合で機能変更ができないため、クーポンなどの機能は管理画面のチェックだけでON/OFF可能。ユーザーの好みに応じて機能変更できるようにしている。機能は増やすほどに設定項目が複雑になるため、システムに精通しないユーザーでも直感的に操作できるよう、インターフェースにもこだわっている。
　

最初のリリースまでの開発期間は約半年。リリース後はユーザーからさまざまなリクエストがあったという。例えば、レシートにポイントを記載したいというニーズが高まって、今ではレジとの連動も可能になっているほか、決済機能を付与する開発も行っていて、間も無くリリース予定とのこと。優先順位をつけながら細かいことを含めて、日々バージョンアップを重ねている。自社開発のパッケージだからこその強みだ。

同社では、中小企業がシステムを自前で構築する場合、主に2つの問題が生じると考えている。1つはコスト、もう1つは要件定義だ。例えば、個別の店舗は店長がすべてを仕切っているケースが多く、システムを専門に担当する人はほとんどいない。そこで同社では、ユーザーのシステム担当として気持ちで取り組んでいるという。
　

代表自身は通信販売業界で長年勤務した経験があるが、ここ20年で実店舗と通販を取り巻く環境が様変わりしたと感じていて、通販は店舗がないのでこちらから仕掛ける必要があり、顧客リストを管理してダイレクトメールを送ったりするなど、リストを有効活用した集客に労力を掛けている、一方のリアル店舗では、来店客を待つ姿勢で顧客管理ができていないことが多く、この通販業界で得たノウハウを生かせるのではないかと考えている。
　

リアル店舗でもプッシュ通知、トーク機能などで来店していない顧客を接客し、ファンを作ることができれば、通販のみよりも強い事業につながるのではないか、と思い始めたというのだ。また、企業が置かれたステージや規模の違いで同等の機能をもったシステムでも費用が大きく異なることから、進展が速い中小企業向けの事業の方に注力したいと考えているという。ユーザーにはサービスを月額で利用していただきながら信頼関係を築き、ユーザーのの希望を実現させて互いにハッピーでありたい。アプリユーザーとは直接コミュニケーションをとりながら、長く付き合っていきたいと考えている。

アプリメンバーズホームページ