今回のクライアントである独立行政法人は、国から委託されて民間の福祉団体やNPO法人に助成金の交付を行っている。助成を受けた団体は、助成事業の完了後に報告書を提出することが義務付けられている。リニューアル前から電子化されててはいて、Webから検索、閲覧することはできたが、検索フォームの入力項目が多く複雑なため、使い難い仕組みとなっていた。ユーザーは2通りあり、クライアントの職員と、支援を受ける側や行政側へ寄付をしている一般ユーザー。職員は、詳細な検索が必要なため、現行で問題なく活用できていたが、一般ユーザーは深い情報までは必要としていなかったため、検索のしやすさ（ユーザビリティ）を向上させる必要があった。

職員と一般ユーザー。それぞれが検索しやすいフォームを共存させるため、元の検索フォームを残し、全体のデザインと検索フォームをリニューアルした。一般ユーザー向けの検索フォームは必要最低限の検索条件に絞り、「フリーワード」「キーワード（選択肢）」「地域（選択肢）」の3点を組み合わせてできるフォームを設置した。さらに、法人側で設定した任意のキーワードを常時表示させることで、検索の手間を極力少なくした。また期間や予算に限りのあるなかで、要望も多かったことから、極力ご要望に応えられるように調整や打ち合わせを充実させた。コミュニケーションをしっかり取ることで、抜け漏れや不足がないように心掛けた。結果、大きなトラブルもなく、無事納品を迎えることができたという。